2型糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬などのインクレチン関連薬は,低血糖のリスクが少なく安定した血糖降下作用があり,わが国でも幅広く使われてきている。一方で,インクレチン関連薬が2型糖尿病の心血管イベントを減らさず,むしろ心不全のリスクを増大させる可能性が懸念されている。しかし,進行中の臨床試験はこの問題を効果的に検証するには症例数が十分でない可能性があり,本研究ではカナダ,米国,英国のヘルスケアデータを用いて,複数の糖尿病患者のコホートを解析している。