超高齢社会を迎えたわが国において加齢性疾患,特に高血圧は心血管疾患の重要な予後規定因子であり,その適切な管理は健康寿命の延伸につながる。高齢者高血圧の特徴のなかで体液量に関連するものとしては,腎機能低下に伴う食塩感受性の亢進,レニン-アンジオテンシン系(RAS)の低下,インスリン抵抗性の亢進があり,これらは体内Na量,体液量に大きく関与し,高血圧の病態の中心的な役割を演じている。体液管理の視点からの高血圧治療では,まずは減塩を行い,そのうえでサイアザイド系利尿薬やRAS阻害薬が第一選択薬となる。高齢者高血圧の治療に際しては,低Na血症の原因として頻度の高い鉱質コルチコイド反応性低Na血症(MRHE)の発症に注意をしなければならない。
特集 高齢者の体液管理
高齢者の高血圧と体液管理
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.6 No.4 28-33,
2016
著者名
鷹見 洋一
/
樂木 宏美
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
高血圧
/
代謝・内分泌
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糖尿病
/
腎臓
/
栄養管理
診療科目
老年科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
腎臓内科
/
呼吸器内科
媒体
Fluid Management Renaissance
Key Words
高齢者高血圧,食塩感受性,レニン-アンジオテンシン系(RAS),鉱質コルチコイド反応性低Na血症(MRHE)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。