「Summary」慢性心不全にはインスリン抵抗性がしばしば合併し,その病態に深く関与していることがよく知られている。一方,アルドステロンが,慢性心不全の病態だけでなくインスリン抵抗性にも関与していると報告されている。慢性心不全,インスリン抵抗性,アルドステロンは,炎症・酸化ストレス,マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)などを介して相互に作用している。一般に利尿薬は糖代謝に悪影響を及ぼすといわれているが,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は慢性心不全患者のインスリン抵抗性を改善する可能性がある。今後,インスリン抵抗性が慢性心不全治療のターゲットの1つとなり,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の新たな可能性も期待できる。
「Keywords」慢性心不全,アルドステロン,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬,インスリン抵抗性,スピロノラクトン
「Keywords」慢性心不全,アルドステロン,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬,インスリン抵抗性,スピロノラクトン