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目からウロコ―水と電解質

第17回 塩による生体防御:“salary”の語源の意義

石橋賢一

Fluid Management Renaissance Vol.5 No.3, 98-99, 2015

塩が体に悪いと言われ出したのは,塩分の摂りすぎから高血圧が起きるという戦後の疫学調査の報告からです。さらに旧石器時代の人類は,塩不足に適応していたという進化論的な視点もあります。しかし,海水には細菌が少なく,また塩漬けは腐敗しないので,塩は消毒目的にも使われてきました。食塩泉による皮膚病治療だけでなく,歯磨き・うがい・気道ネブライザーにも塩水が使われます。最近,塩が浸透圧による物理的防御バリアーだけでなく,免疫系の刺激による生体防御にも重要であることがわかりました。強力なMRI(磁気共鳴画像法)の出現で組織中Na濃度が狭い範囲(1mm)でも23Naによって測定できるようになったことが,この発見につながりました。奇数の原子番号ならMRIでシグナルが検出できますが,1Hに次いで23Naの感度がよく,35Clから39Kへと桁違いに感度は落ちます。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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