「Summary」Liddle症候群は,若年発症の遺伝性食塩感受性高血圧症で,低K血症,代謝性アルカローシス,低レニン活性,低アルドステロン血症を呈する。近年の分子生物学的手法の発展により,Liddle症候群が上皮型Naチャネル(ENaC)のgain-of-functionにより生じることが明らかとなった。腎皮質集合尿細管の管腔側膜に局在するENaCの遺伝子変異によりNedd4-2を介したENaCのユビキチン化およびエンドサイトーシスが減少し,細胞膜上のENaCの数が相対的に増加する。その結果としてNaの再吸収が増加し,食塩感受性高血圧症が発症すると考えられている。
「Keywords」上皮型Naチャネル,PYモチーフ,Nedd4-2