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特集 臓器浮腫・うっ血の病態とその治療法

(座談会)各臓器での水分調節とその異常

飯野靖彦伊藤宏泉並木内田俊也

Fluid Management Renaissance Vol.5 No.2, 7-14, 2015

パソプレシンV2受容体拮抗薬トルバプタンは,心不全に加えて肝硬変における体液貯留においても新たな治療選択肢となった。従来の利尿薬による電解質異常や腎機能低下,治療抵抗性などの問題はいずれの領域でも共通しており,今後はトルバプタンと他の利尿薬との効果的な併用やトルバプタンが有効な例を予測する因子の探索などについて,各領域で共有すべきである。本座談会では,うっ血性心不全および肝性浮腫,腎うっ血の病態と治療を中心に,心臓・肝臓・腎臓の各領域のエキスパートから,幅広く話題をご提供いただいた。
「水分調節機構の進化」
飯野:原子の海から生まれた生命は,海から川,川から陸へと移動するなかで,周りの環境にあわせて各機能を進化させてきました。腎臓は体内の電解質濃度を一定に保ち,内部環境を調節するために進化の過程でネフロンを変化させ,淡水硬骨魚が遠位尿細管を,鳥類がヘンレループを獲得し,さらに哺乳類が細い上行脚を獲得したことにより,尿の希釈・濃縮機構が構築されたのです。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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