「Summary」急性左心不全の病態は多岐にわたり,肺うっ血主体の左室後方障害,体うっ血主体の右室後方障害,循環不全主体の左室前方障害に大別される。これらの病態を把握し治療に生かすため急性左心不全の病態分類がいくつか提唱されており,主なものにForrester分類,Nohria-Stevenson分類,Clinical Scenario分類がある。急性左心不全における輸液戦略をこれらの病態分類に則して考えることで,適切な輸液管理を行うことが可能となる。本稿では,日本循環器学会のガイドラインやその他の文献的報告を踏まえたうえで,急性心不全の病態分類に則した輸液管理の戦略を示すとともに,急性左心不全に対する輸液療法の実際を提示する。
「Keywords」Nohria-Stevenson分類,Clinical Scenario,容量負荷,電解質補正
「Keywords」Nohria-Stevenson分類,Clinical Scenario,容量負荷,電解質補正