Selected Papers(内分泌領域)
家族性中枢性尿崩症モデルマウスにおけるバソプレシンニューロンの脱落はオートファジー関連細胞死による
Arginine vasopressin neuronal loss results from autophagy-associated cell death in a mouse model for familial neurohypophysial diabetes insipidus.Hagiwara D, Arima H, Morishita Y, et al. Cell Death Dis 5: e1148, 2014
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.4 No.4 63-64,
2014
著者名
松﨑利行
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
媒体
Fluid Management Renaissance
「要約」家族性中枢性尿崩症(FNDI)はバソプレシンのキャリア蛋白質であるニューロフィジンⅡ(NPⅡ)遺伝子の変異によるもので,進行性の尿崩症を呈する。変異NPⅡが小胞体に蓄積するとバソプレシンニューロンに対して毒性を示すが,剖検例でみられるようなバソプレシンニューロンの細胞死のメカニズムは十分にはわかっていない。本論文では,FNDIモデルマウスを用いて間歇的な絶水を行い,バソプレシンニューロンの形態変化を促進させて解析を行った。電子顕微鏡による解析では,FNDIマウスを自由飲水の状態におくとバソプレシンニューロンの小胞体に連続するコンパートメントに限局的に凝集体が認められたが,4週間の間歇的な絶水をくり返すと凝集体が小胞体内に分散し,小胞体腔が拡張することが明らかとなった。さらに,オートファゴソームの前駆体である隔離膜が出現し,凝集体が分散した状態の小胞体を取り囲む様子が認められた。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。