「Summary」心臓手術は現在,手術法,周術期管理法,人工心肺,心筋保護法などの発展により安全に行えるものになってきている。しかし近年,低心機能,慢性腎臓病などのハイリスク症例に対する手術が増加してきており,周術期の体液管理が患者の予後に影響する。そのため心臓手術周術期治療において,利尿薬は必要不可欠な薬剤である。現在,利尿薬にはループ利尿薬,炭酸脱水酵素阻害薬,サイアザイド系利尿薬,K保持性利尿薬が一般的に使用されているが,その有効性とともに問題点も指摘されており,利尿薬の適切な使用が患者の予後に影響を及ぼす。また,日本ではカルペリチド,欧米ではネシリチドのNa利尿ペプチドの利尿作用に関する有効性が報告され,さらに近年,バソプレシンV2受容体拮抗薬のトルバプタンが新たな利尿薬として注目されている。本稿では,心臓手術における体液管理法と各種利尿薬について論説する。
【特集 心臓手術と体液管理】
心臓手術後における体液管理と利尿薬
Fluid management and diuretics during cardiac surgery
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.4 No.4 13-19,
2014
著者名
瀬在明
/
塩野元美
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
媒体
Fluid Management Renaissance
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。