Selected Papers(腎臓領域)
腎臓のβ間在細胞は体液の水・電解質バランスを維持する
Renal β-intercalated cells maintain body fluid and electrolyte balance. Gueutin V, Vallet M, Jayat M, et al. J Clin Invest 123: 4219-4231, 2013
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.4 No.2 79-80,
2014
著者名
坂本尚登
記事体裁
抄録
疾患領域
腎臓
診療科目
一般内科
/
腎臓内科
/
老年科
/
小児科
媒体
Fluid Management Renaissance
「要約」集合管を構成する間在細胞に局在するプロトンポンプ(H+-ATPase)のB1サブユニット(ATP6V1B1)が不活性化されると, NaClとKの腎性喪失を伴ってI型遠位尿細管性アシドーシス(dRTA)を発症する. 今回著者らは, ATP6V1B1遺伝子を欠失したノックアウトマウス(Atp6v1b1-/-マウス)を用いて, dRTAに伴う腎臓からのNaCl, K, さらに水分の喪失により生じる体液量の減少, 低K血症ならびに多尿の病態生理について検討した. 著者らは, NaClの喪失は集合管のNaチャネル(ENaC)とペンドリン/Na+-driven Cl/HCO3交換輸送体(pendrin/NDCBE)システムの両者の輸送体活性が障害されて生じることを示し, 髄質の集合管ではENaCの発現が適正に保持されていることから, NaClの喪失が皮質集合管に特異的に生じる病態であることを示唆した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。