Selected Papers(内分泌領域)
脳弓下器官におけるエンドセリン-3の発現は,脳のNa濃度センサーであるNaxチャネルの感度を高めて食塩摂取を抑制する
Endothelin-3 expression in the subfornical organ enhances the sensitivity of Na(x), the brain sodium-level sensor, to suppress salt intake. Hiyama TY, Yoshida M, Matsumoto M, et al. Cell Metab 17: 507-519, 2013
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.3 No.4 73-74,
2013
著者名
上田 陽一
記事体裁
抄録
疾患領域
高血圧
/
代謝・内分泌
/
腎臓
診療科目
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
Fluid Management Renaissance
「要約」塩分の恒常性維持は生存に必須であるが, 塩分摂取を調節する脳内機構は十分にはわかっていない. 著者らは, 細胞外Na濃度に対するNaxチャネルの感度がエンドセリン-3(ET-3)の濃度依存的に増強することを発見した. Naxチャネルは, ET-3がない場合は細胞外Na濃度が約150mMを超えたときに開きはじめるが, 1nMのET-3存在下では生理的な細胞外Na濃度(135~145mM)で完全に開口した. 重要なことは, ET-3はNaxとともに脳弓下器官(subfornical organ:SFO)において発現しており, その発現量が脱水によって顕著に増加したことである. また著者らは, 薬理学的実験によりエンドセリン受容体B(ETBR)シグナルがプロテインキナーゼC(PKC)およびERK1/2活性化を介してNaxチャネル開閉の修飾に関与していることを明らかにした.
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