Focus
トルバプタンの投与により胸水・腹水貯留が著明に改善した右心不全の1例
Fluid Management Renaissance Vol.3 No.2, 96-99, 2013
「症例背景」 86歳, 女性. 主訴:呼吸困難. 家族歴:特になし. 生活歴:喫煙歴なし, 飲酒歴なし, アレルギーなし, 輸血歴なし. 既往歴:高血圧症, 狭心症, 逆流性食道炎, 陳旧性脳梗塞. 冠危険因子:□糖尿病 ■高血圧症 □脂質異常症 ■肥満 □喫煙 □家族歴 ■eGFR(26.6mL/分/1.73m2, CKD Stage 4). 現病歴:2011年1月16日午前1時30分頃, 就寝中に前胸部の疼痛を訴え, 午前10時に当院救急外来に搬送された. 到着時心拍数50/分台の心房細動であり, 心筋逸脱酵素の上昇と心電図上III, aVf, V1~V2のST上昇, V3~V6, I, aVLのST低下を認め, 急性下壁心筋梗塞+右室梗塞と診断した. 緊急カテーテル検査を施行し, 右冠動脈#1入口部に血栓に伴う100%狭窄を認めた. 血栓吸引を行ったところ巨大血栓を吸引し, その後TIMI Grade 3の冠灌流が得られたためステント留置は行わず手技を終了した. 心筋梗塞の原因は, 心房細動に伴う心内血栓による塞栓症と診断した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。