【特集 治療抵抗性心不全における体液コントロール】
心不全治療におけるループ利尿薬の使い分け
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.3 No.2 26-32,
2013
著者名
安藤友孝
/
廣谷信一
/
辻野健
/
増山理
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Fluid Management Renaissance
「Summary」 ループ利尿薬, ジギタリス製剤は心不全治療薬のなかで最も歴史のある薬剤である. ジギタリス製剤は以前に比べ使用頻度が減少しているが, ループ利尿薬は今もなお心不全治療薬のなかで重要な位置を占めている. 『慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)』(JCS2010)1)ではうっ血症状があるときの利尿薬の使用を, また『急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)』(JCS2011)2)でも急性心不全における肺うっ血, 浮腫に対するフロセミド(静注および経口投与)の使用をClass Iとしている. ループ利尿薬がうっ血症状を伴った心不全患者において欠かせない薬剤であることは異論のないところであろう. しかしながら, ループ利尿薬の使用が心不全患者の予後改善を示したランダム化臨床試験はなく, 予後を改善するよりむしろ悪化させている可能性を示唆する知見が散見されるようになった. 「はじめに」 『急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂版)』2)において, 「ループ利尿薬は肺うっ血や浮腫などの心不全症状を軽減し, 前負荷を減じて左室拡張末期圧を低下する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。