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特集 治療抵抗性心不全における体液コントロール

特集にあたって

筒井裕之

Fluid Management Renaissance Vol.3 No.2, 6-6, 2013

心不全では, 過剰な体液貯留により全身の臓器うっ血が生ずる. 過剰な体液を除去するための第一選択薬は利尿薬である. 利尿薬としては, ループ利尿薬などの従来からの利尿薬に加えて, カルペリチド(ハンプ(R))やバソプレシンV2受容体拮抗薬トルバプタン(サムスカ(R))を用いる. さらに血管拡張薬や強心薬を含む薬物療法でも体液コントロールが不十分なときには, 血液浄化・補助循環の適応となる. 心不全患者は, しばしば糸球体濾過率(glomerular filtration rate;GFR)の低下で定義される慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)を合併する. 心臓と腎臓の機能は密接に関連しており, 近年心腎連関として注目されているが, 心不全とCKDの合併は体液貯留をきたしやすく, 心不全がさらに悪化するという悪循環が生じやすい. 心腎連関の悪循環はそれぞれの病態をさらに悪化させ, 治療抵抗性となり, 結果として予後を悪化させる. このような場合, 適切な利尿薬を選択するとともに血液浄化の導入によって除水とともに心不全の改善が期待される. 本特集では, “治療抵抗性心不全における体液コントロール”をテーマに, 治療手段として種々の利尿薬と血液浄化を取り上げ, 循環器内科ばかりでなく腎臓内科, さらに心臓外科領域の第一線の専門家にご執筆いただいた. 本特集が, 循環器内科医や心臓外科医はもちろんのこと幅広い臨床医が治療抵抗性心不全の病態をふまえ, より効果的・効率的な体液コントロールを実践する一助となれば幸甚である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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