Selected Papers(腎臓領域)
FGF23は左室肥大を惹起する
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.2 No.4 70-71,
2012
著者名
駒場大峰
/
深川 雅史
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Fluid Management Renaissance
「FGF23は左室肥大を惹起する」「要約」FGF23は骨細胞によって産生される液性因子で, 腎臓においてP再吸収を抑制するとともに活性型ビタミンD産生を抑制する. さらにFGF23は副甲状腺にも直接作用し, 副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を抑制する. FGF23がこのような生理作用を発揮するためには, FGF受容体とともに共受容体としてKlothoの発現が必須とされている. 慢性腎臓病(CKD)を有する患者では, 慢性的なP負荷, 腎機能低下とともにFGF23は上昇し, このようなFGF23上昇はCKD患者における左室肥大(LVH), 心血管合併症, 腎予後, 生命予後のリスク増大に強い関連性を示すことが報告されている1)-3). しかし, FGF23が慢性的なP過剰状態を反映しているのか, 病原因子として直接的にこれらのリスク増大に関与しているのかどうかはこれまで明らかでなかった. 今回紹介する論文は, CKD患者のLVH発症におけるFGF23の役割について検討した研究である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。