臨床セミナー これからの心不全バイオマーカー
第6回 Parathyroid
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.2 No.4 64-68,
2012
著者名
杉本匡史
/
伊藤 正明
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Fluid Management Renaissance
「はじめに」副甲状腺は甲状腺に隣接して存在する内分泌腺であり, 人間には通常2対, 合計4個の副甲状腺が存在する. 副甲状腺の主な機能は血中のイオン化Ca(ionized calcium;iCa)濃度を厳格にコントロールすることであり, 厳格に管理された血中iCa濃度によって細胞シグナリング, 神経筋機能, 骨代謝といった生体内の機能が維持されている. 副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH)は副甲状腺の主細胞から産生, 分泌されるホルモンで, 副甲状腺に存在するCa感受性受容体(CaSR)が血中iCa濃度の低下を感知することで分泌が亢進する. PTHの主な働きは, (1)骨吸収の促進, (2)腎尿細管でのCa再吸収の促進, (3)腎臓における活性型ビタミンDの合成促進を介した小腸でのCa吸収の促進であり, 整形外科領域, 腎泌尿器科領域, 内分泌代謝科領域において多くの研究が行われてきた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。