【特集 高血圧と体液管理】
利尿薬による体液コンパートメントの変化
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.2 No.4 42-49,
2012
著者名
河原克雅
/
下浜孝郎
/
長沼英明
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Fluid Management Renaissance
「Summary」利尿薬は過剰な細胞外液(ECF)を尿として体外に排泄し, 心臓の負荷を軽減する. 循環血漿量の減少はポンプ力の低下した心臓の負荷を軽減し, 心機能を回復させることができる. 同時に, 毛細血管(静脈側)の静水圧が低下するので間質や肺胞からのリターンが増加し, 浮腫や肺水腫が改善される. 一方, 急激なECFの量的減少は電解質組成や浸透圧も変化させるので, 体細胞, 特に脳神経細胞機能に大きく影響する. 利尿薬をその作用機序で分類すると, (1)腎遠位尿細管・集合管のNa再吸収機構を阻害する“Na利尿薬”, (2)近位尿細管のback fluxを増大させる“浸透圧利尿薬”, (3)集合管での水再吸収を阻害する“水利尿薬”に分けられる. 利尿薬の特徴を理解すれば, ECFの量的異常と水電解質組成の異常による病的状態を, 安全・的確に改善させることができる. 「はじめに」ヒト体液の体に占める割合は, 体重の50~80%(重量%)である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。