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特集 高血圧と体液管理

血圧と体液の病態生理

谷山佳弘

Fluid Management Renaissance Vol.2 No.4, 22-26, 2012

「Summary」Na貯留は体液量を増大させ, 血圧上昇をきたす. 腎臓はNa排泄を調節することにより血圧を制御しており, 腎臓でのNa排泄障害・再吸収亢進が高血圧の維持に必須である. この機序については, 生理学的には古くから圧・利尿曲線にて説明がなされてきた. 最近, 腎臓でのNa代謝に関わる新たな機序が発見されてきており, 分子レベルでの解明がめざましく進展している. それらは, 腎尿細管におけるアンジオテンシンIIの作用機構, Rac 1によるミネラルコルチコイド受容体活性化, 慢性炎症, 特にTリンパ球の関与, あるいは交感神経活性によるエピジェネティック修飾を介したNa再吸収亢進の機序といったものである. さらに, Na貯留による体液量増大過程における皮下組織の役割についても報告されている. これらはいずれもNa貯留による血圧上昇, すなわち食塩感受性高血圧のさらなる病態解明や新規治療法の開発につながる可能性があり, 注目される.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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