【特集 高血圧と体液管理】
動物の進化と血圧調節遺伝子
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.2 No.4 15-21,
2012
著者名
颯田葉子
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Fluid Management Renaissance
「Summary」血圧を調節するさまざまな仕組みのなかで, レニン-アンジオテンシン系として知られる機構に関与する遺伝子の進化を紹介する. 血圧調節に関わる遺伝子の起源を探る試みでは血圧を調節する仕組みの誕生と脊椎動物の誕生の関わりを, アンジオテンシノーゲン遺伝子の発現に関しては発現を調節する仕組みの進化, 特にヒトでの発現量調節がどのように進化してきたかについての研究を紹介し, さらにアンジオテンシン変換酵素の進化と性染色体の進化との関連を紹介する. これらの知見をもとに, 最後に環境・疾病・遺伝子進化との関わりについて述べる. 「はじめに」筆者の研究分野は分子進化学と呼ばれる分野で, そのなかでもさまざまな生物の生理現象を司る分子の進化の理解を通して, どのようにして, また何故そのような生理現象を生物が獲得したかを明らかにすることをめざしている. 本稿では, 血圧調節の仕組みに関わる遺伝子がどのように進化してきたかを紹介する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。