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症例報告(Fluid Management Renaissance)

高度腎機能低下を伴った高齢心不全患者に対してトルバプタンが奏効した1例

野村哲矢辰巳哲也

Fluid Management Renaissance Vol.2 No.3, 104-107, 2012

「はじめに」バソプレシンV2受容体拮抗作用により水分を選択的に排泄させるトルバプタンは, 従来の利尿薬とは全く作用機序の異なる薬剤として, EVEREST試験では短期的に心不全患者のうっ血症状や体重減少に効果が示された1). しかしながら, 重篤な腎機能障害のある患者の場合, 利尿に伴う腎血流量の減少により腎機能がさらに増悪するおそれのため慎重な投与が求められる一方, トルバプタンが腎血流を改善するという報告2)もあり, 腎機能に与える本質的な影響はいまだ不明な点も多い. 今回われわれは, 既存利尿薬に抵抗性を示し高度に腎機能が低下したうっ血性心不全に対して, 肺うっ血および全身の体液貯留にトルバプタンが奏効した1例を経験したので報告する. 「症例」90歳, 女性. 主訴: 労作時呼吸困難, 全身浮腫. 既往歴: 89歳時, 徐脈性心房細動に対してVVIペースメーカー留置. 家族歴: 特記事項なし.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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