Selected Papers(循環器領域)
心不全を有するあるいは有しない慢性腎不全における低Na血症,高Na血症と死亡率の関係
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.2 No.3 81-82,
2012
著者名
有田武史
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Fluid Management Renaissance
「要約」「1. 背景」低Na血症は心不全においてはよく認められ, 入院患者においては予後と相関することが知られている. 慢性腎不全の患者においては心不全を併発することはよくあるが, そのような患者において血中のNa値と予後の関係については明らかでない. 「2. 方法」米国退役軍人病院データベースを用いて655,493人の慢性腎不全患者(そのうち15%が心不全併発)における血中Na濃度と予後の関係を調査した. 解析方法は, 可能性のある交絡要因を排除し, 血中Na濃度を時間依存性共変量としてCox回帰分析を行った. 5.5年(中央値)のフォローアップのなかで, 193,956人が死亡(死亡率62.5/1,000人・年)した. 26%が最低1度は低Na血症の既往があり, 7%が最低1度は高Na血症の既往があった. 血中Na濃度と死亡率の関係はU字型であり, Na 140mEq/Lの患者が最も死亡率が低く, それ以上またはそれ以下の患者では死亡率が上昇していた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。