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基礎講座 バソプレシンと心不全

第5回 アクアポリン2の尿中排泄

油井直史

Fluid Management Renaissance Vol.2 No.3, 70-74, 2012

「はじめに」心不全とは, 慢性の心筋障害により心臓ポンプ機能が低下し, 末梢主要臓器の酸素消費量に見合うだけの血液量を絶対的または相対的に拍出できない病態の総称であり, 所見としては労作時呼吸困難, 浮腫, 低Na血症などを呈することが多い. 多くの場合, 代償的に神経体液性因子の分泌が亢進している. 病態の進展に深く関わる神経体液性因子として, レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)の亢進, エンドセリンの分泌亢進などが報告されている. RAASの亢進により増加したアンジオテンシンIIとアルドステロンは, 短期的には水・Na貯留, 血管収縮などにより心不全による病態を補助する方向に作用しうるが, 長期的には心筋線維化や心筋肥大を惹起し, 心不全の病態を進展させる. エンドセリンは, 心筋細胞の細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)を活性化し, 直接心筋細胞を肥大させることなどにより心不全の病態進展に加担することが知られている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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