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特集 浮腫の鑑別・対処法・メカニズム

肝疾患に伴う浮腫の診断と治療

福井博

Fluid Management Renaissance Vol.2 No.3, 41-46, 2012

「Summary」進行した肝硬変患者は体液貯留傾向にあるが, 併存する門脈圧亢進症のために貯留した余分な水分はまず腹水というかたちで腹腔内に貯留する. 浮腫を呈する肝硬変患者は多いが, 一方で腹水を伴わない浮腫はほとんどみられない. 摂食量の少ない肝硬変患者では著明な低アルブミン血症のために膠質浸透圧が低下し全身性浮腫をみることがあるが, この場合も腹水は必発である. 下腿浮腫が特に目立つ患者では, むしろ肝部下大静脈の圧迫や閉塞によるBudd-Chiari症候群を疑う. また, 肝硬変では腹水が右胸腔に移行して片側性の胸水を呈することがある. 腹水, 胸水は広義の肝性浮腫と捉えられており, これらの共通の発生要因として腎における水・Na貯留があり, 治療原則は同一である. 本稿では, 腹水および肝性胸水も広義の浮腫と捉え, それらの治療についても論じる. 「全身性浮腫と肝性浮腫」ヒトの身体の約60%は水分からなるが, その約3分の2が細胞内に存在する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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