【特集 浮腫の鑑別・対処法・メカニズム】
(座談会)浮腫をみたら
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.2 No.3 9-17,
2012
著者名
百村伸一
/
菅原斉
/
石光俊彦
/
安村良男
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Fluid Management Renaissance
心不全では心拍出量が低下して体液貯留に伴う浮腫を生じ, 呼吸困難や活動性低下などをきたして患者のQOLを低下させる. 心不全治療において体液貯留の改善は非常に重要であり, 体液貯留と神経体液性因子の関係が報告されている. また, 既存の利尿薬では低Na血症や腎機能低下も問題となる. 本座談会では, 浮腫の病態とその機序, 検査・診断の進め方, 利尿薬による神経体液性因子を賦活化しない治療について, 循環器・腎臓・総合診療の観点から話題をご提供いただいた. 「はじめに」百村 浮腫は心不全や肝硬変, ネフローゼ症候群などのさまざまな疾患が原因となって起こり, 日常臨床ではよく遭遇する所見です. 心不全患者は体液が過剰に貯留した状態にあり, その結果として下肢浮腫や頸静脈怒張, 肺うっ血などをきたします. 浮腫をみたときにいかに正しく診断・評価し, 適切な治療につなげていくかは, 心不全患者の予後に大きく関わる問題といえます.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。