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基礎講座 バソプレシンと心不全

第4回 バソプレシンの腎尿細管作用

野々口博史

Fluid Management Renaissance Vol.2 No.2, 62-67, 2012

「はじめに」 バソプレシンは, 腎臓に作用するホルモンのなかでもアルドステロンと並んで体液平衡調節において最も重要なホルモンである. レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAA系)が容量調節系であるのに対してバソプレシン系は浸透圧調節系であり大きな違いがあるが, ともに電解質制御から体液量調節, さらには血圧調節に関与し, 酸塩基平衡にも関与する. これまではバソプレシンといえばV2受容体の機能のみが注目され, V1a受容体の存在はほとんど無視されてきた. ところが最近V1a受容体がRAA系とバソプレシン系との接点に存在することが判明し, 今後その存在意義についての検討が待たれる. 「バソプレシン受容体の腎内局在」 バソプレシンは, 2種類の受容体が腎に発現している. 主たる作用である抗利尿ホルモンとしての作用は, V2受容体を介する. V1a受容体は血管に発現し血圧に関与することは知られていたが, 集合尿細管をはじめとする尿細管にも発現することが知られ, 酸塩基平衡に関与することがわかっていた.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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