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特集 心不全と電解質バランス

Ca,PとMgの異常

小泉賢洋深川雅史

Fluid Management Renaissance Vol.2 No.2, 48-55, 2012

「Summary」 Ca, PとMgは生体内で重要な働きを担っている電解質であるが, 多岐にわたる病態下においてその代謝異常をきたすことが知られている. 心不全においても例外ではなく, 特にCaについては心不全の発症・進展に深く関与しているレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が亢進することによりその代謝異常を生じることが知られている. さらに, Caの主要な2つの制御因子である副甲状腺ホルモンと活性型ビタミンD自体が心血管系に作用し, その機能障害の発症に関与する可能性についても示唆されている. また, Pについては特に慢性腎臓病(chronic kidney disease ; CKD)患者においてその代謝異常はほぼ必発であり, 血管の石灰化を介して心血管系の障害を高頻度にきたし, その生命予後に大きく影響を及ぼしていることが報告されている. 新たに同定されたP利尿因子であるFGF (fibroblast growth factor) 23はこのようなCKD患者におけるP代謝異常発症に深く関与しているが, さらにP蓄積状態を反映するマーカーや心臓をはじめとした組織に障害をきたす病原因子としての可能性が最近の研究において指摘されている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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