背 景  75歳,男性。 既往歴:陳旧性心筋梗塞,冠動脈バイパス術(CABG)後,糖尿病,心室細動(Vf),植え込み型除細動器(ICD)植え込み後,脂質異常症,高尿酸血症。 家族歴:特記事項なし。 生活歴:特記事項なし。 現病歴:2003年,前璧陳旧性心筋梗塞の診断でCABG(LITA-#7,RGEA-#4PD)を施行された。2007年より心不全で入退院をくり返した。2008年8月,冠動脈造影(CAG)施行,RCA seg1 100%,LAD seg6 100%,seg7 75%,LCX seg11 99%,seg13 90%,LITA to LAD patent,RGEA to #4PD 100%であった。2010年8月10日,院内駐車場で倒れていたのを発見,ただちに救急外来搬送,心電図(ECG)上でVfを認め除細動施行。eCAG上LMT:100%,RCA seg1 100%,LITA to LAD patent,RGEA:totalであった。アミオダロン200mg導入後,8月に広島大学病院紹介。心臓再同期療法(CRT)の適応はないと診断され,ICD植え込みが施行された。その後も月1,2回の頻度でICDが作動していた。2011年1月17日,自宅トイレで失神し当院救急搬送,ICD作動による除細動を認めた。胸部聴診上ラ音聴取せず動脈血ガス分析上room airでPO2 80toorと低酸素血症は軽度であったが,血液検査上BNP 1,209pg/mLと上昇,胸部レントゲン上肺うっ血と胸水貯留を認め,心不全増悪の診断で入院となる。