Summary  バソプレシン(AVP)受容体拮抗薬は,腎集合尿細管細胞におけるAVPの抗利尿作用(V2作用)を特異的に阻害する非ペプチド性拮抗薬である。同薬は経口投与可能で,作用時間も長く1日1回の投与で利尿作用が保持される。これまでin vivoの動物モデルで,SIADHや心不全ラットの水利尿不全を著しく改善することが示された。臨床的には,AVPの持続的な分泌過剰のみられる病態でAVP V2受容体拮抗薬は利尿効果が期待できる。今日,国内でモザバプタンは異所性AVP産生腫瘍によるSIADHに,トルバプタンはうっ血性心不全の治療に用いられている。