抗利尿ホルモンであるバソプレシンとその受容体については,近年の受容体ノックアウトマウスをはじめとする先進的研究の結果,新たな知見が次々と報告されている。水利尿という新たな機序をもつバソプレシンV2受容体拮抗薬トルバプタンの登場に伴い,新時代の研究と臨床を結びつける発想と経験が必要となる。本座談会では,バソプレシンとその受容体をめぐる知識のUp-Dateを目的とし,脳中枢におけるバソプレシンの作用から過剰状態がもたらす病態と治療薬の歴史,臨床応用の可能性と副作用まで,基礎と臨床にわたる幅広い話題をご提供いただいた。