(座長)国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授/山王メディカルセンター・女性医療センター長 太田博明先生
(座長)帝京大学臨床研究センター(TARC)センター長 寺本民生先生
本稿では太田博明先生から「女性のミカタ」を合言葉に,日本各地の医療機関における4事例の取り組みが紹介された.
「事例① 巨大な垂れ幕を掲げ,女性のミカタというメッセージを発信―おきた内科クリニック(広島県広島市)の取り組み」
おきた内科クリニックでは,骨粗鬆症,OABなどの,女性において潜在化しやすい疾患に関する相談を積極的に行っていることを周知すべく,巨大な垂れ幕を施設入口に掲げた.その結果,自分の悩みを相談できることを知ったOABの症状を有する50代前後の女性が多数来院するようになり,相乗的に骨粗鬆症の相談数も増えたという成果を得ている.このことは,女性を包括的に診察しようという試み,なかでもかかりつけ医ではとくにOABと骨粗鬆症を診るという試みが,女性の切実なニーズに応える活動であることを証明している.女性の口コミは大きな影響力をもつ.女性のニーズに応える活動が評判を呼び,それが口コミによって広がることで集患につながったと考えられる.