(座長)国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授/山王メディカルセンター・女性医療センター長 太田博明先生
(座長)帝京大学臨床研究センター(TARC)センター長 寺本民生先生
「加齢とともに増えるOABの悩み」国際禁制学会(International Continence Society;ICS)のメタ解析による女性尿失禁のタイプに関する内訳は,「腹圧性尿失禁」(約49%),「切迫性尿失禁」(約21%),そして,切迫性尿失禁と腹圧性尿失禁が併存する「混合性尿失禁」(約29%)と示されている1).腹圧性尿失禁は,運動,咳やくしゃみの際に失禁を呈する愁訴であり,女性特有の骨盤底の構造,分娩や加齢による骨盤底の緩みが関連し発症する.切迫性尿失禁は過活動膀胱(overactive bladder;OAB)による随伴症状として発症する場合が多い.腹圧性尿失禁に比べ切迫性尿失禁の頻度は低いが,加齢とともに混合性尿失禁の割合とあわせて増加し,また,QOLに及ぼす影響が大きいことから高齢者での重要性はきわめて高い.