(座長)国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授/山王メディカルセンター・女性医療センター長 太田博明先生
(座長)帝京大学臨床研究センター(TARC)センター長 寺本民生先生
「男女間でみられる健康寿命の格差」世界に類をみない速度で超高齢社会を形成したわが国では,男女ともに世界一の健康寿命を誇っている.Global Burden Disease of Study(2010年)のデータを用いた解析をみても,日本人は男女ともに世界187カ国中,最も健康寿命が長い.しかしながら,厚生労働省のデータによると,平均寿命と健康寿命の差は男性9.02年,女性12.40年と差があり,男性は71歳,女性は74歳で日常生活に支障や制限をきたしているのも事実である.また,女性の50~60代 では「家族の病気や介護」がおもな悩みやストレスの原因であるが,70歳以降になると「自分の病気や介護」の問題が増大していく.介護者の約70%が女性,要介護者も約70%が女性というデータも,多くの女性が介護に携わったのち,さほど間を置かずに介護を受けることを示している.