特別寄稿
わが国の骨密度測定の軌跡
掲載誌
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
Vol.5 No.4 4-5,
2015
著者名
福永仁夫
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
骨・関節
診療科目
整形外科
/
リウマチ科
/
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
放射線科
媒体
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
わが国の骨密度測定の歴史は,1970年代から骨粗鬆症についての関心の高まりや,治療薬の開発とともに始まった.骨密度測定は,①骨粗鬆症の臨床上の重要性の認識,②診断基準の設定,③治療効果の判定,④疫学調査に欠くことのできない方法であるが,骨密度測定法の開発には,医学,理工学,薬学の共同作業が必須であるのは言をまたない.現在までに,わが国で施行された主たる骨密度測定法を表1に示す.各測定法は,①測定原理,②測定精度,③測定時間,④測定部位,⑤操作性が異なる.そして,骨密度測定法は,①低骨密度の簡便なスクリーニングを目的とした,末梢骨が対象の測定法と,②治療効果の評価や,脊椎骨折や大腿骨頸部骨折の危険性の予知に適した,躯幹骨の測定法に分けられ,それぞれ普及した.2011年現在,末梢骨用測定装置は16,942施設,躯幹骨用は2,609施設で稼動している.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。