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特別寄稿

カテプシンK発見の道のり

久米川正好

O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関― Vol.5 No.3, 4-7, 2015

「科学映画制作から骨の研究へ」私が骨の分野の研究を始めたのは,研究生活の折り返し地点を過ぎた48歳の時だった.それまでは,米国で出会った「Roseチャンバー」と呼ばれる還流培養装置を日本にもち帰って研究していた.そのRoseチャンバーに「科学映画の父」といわれた小林米作氏が興味をもち,私を訪ねて来られたことから私の研究生活が大きく方向転換した.当時,小林氏は製薬会社のスポンサーを得て,まだ細胞レベルでメカニズムがほとんど明らかになっていなかった骨の科学映画を企画・制作しているところだった.Roseチャンバーの扱いには慣れていたものの,骨には馴染みがない小林氏との映画制作は,私にはなかなか大変な作業であった.小林氏の熱意に引っ張られるようにして1980年,映画『The BONE』が完成した.スポンサーの宣伝にはつながらなかったが,国内外の学会で大きな反響があった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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