(座長)東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科細胞生理学分野教授 竹田秀先生
口腔外科領域では,濾胞型エナメル上皮腫などの骨吸収性病変に対して,嚢胞の一部を切除して内溶液を解放し,骨形成を促す開窓術が用いられる.臨床的には,嚢胞内圧による異常なメカニカルストレスを除去することで,骨膜を基点とした骨形成が促進されるなど,骨膜が骨リモデリングに関与することを示唆する報告が多くある.しかしその機序は不明なため,メカニカルストレスによる骨リモデリングにおいて,骨膜組織が果たしている機能を検討することを目的として研究を実施した.患者の同意に基づき,口腔外科小手術の際,粘膜骨膜弁から骨膜組織を採取・培養して得た骨膜由来細胞および比較対象としてヒト正常歯肉線維芽細胞を用いて骨膜の機能を検討した.