「Question 1」サルコペニアとはどういう概念ですか.フレイルとの関連性について教えてください.
「A」サルコペニアとは1989年Rosenbergによって提唱された概念で,sarx,peniaというギリシャ語の「肉」,「減少」という語を組み合わせたものである1).当初,サルコペニアの概念は加齢に伴う筋肉量減少とされていたが,その後の疫学研究などによって,同概念に筋量低下に加えて筋力低下や身体機能低下も含まれるようになり,さらには転倒・骨折リスクの増加や生活機能低下などとも関連を認めることが明らかになってきた.筋量を指標としたサルコペニアの発症頻度に関して,米国在住の高齢者883名を対象とした二重エネルギーX線吸収法(dual-energy X-ray absorptiometry;DXA)による検討が行われた2).その結果,四肢筋量合計値(kg)を身長(m)の2乗で除した値(skeletal muscle mass index;SMI)が健常若年成人筋量平均値の2SD以下となる割合は,65~70歳では20%前後,80歳以上では50%以上認められ,サルコペニアの頻度が加齢に伴い増加していることが示唆された.
「A」サルコペニアとは1989年Rosenbergによって提唱された概念で,sarx,peniaというギリシャ語の「肉」,「減少」という語を組み合わせたものである1).当初,サルコペニアの概念は加齢に伴う筋肉量減少とされていたが,その後の疫学研究などによって,同概念に筋量低下に加えて筋力低下や身体機能低下も含まれるようになり,さらには転倒・骨折リスクの増加や生活機能低下などとも関連を認めることが明らかになってきた.筋量を指標としたサルコペニアの発症頻度に関して,米国在住の高齢者883名を対象とした二重エネルギーX線吸収法(dual-energy X-ray absorptiometry;DXA)による検討が行われた2).その結果,四肢筋量合計値(kg)を身長(m)の2乗で除した値(skeletal muscle mass index;SMI)が健常若年成人筋量平均値の2SD以下となる割合は,65~70歳では20%前後,80歳以上では50%以上認められ,サルコペニアの頻度が加齢に伴い増加していることが示唆された.