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Case study 症例から学ぶ

甲状腺ホルモン異常と骨粗鬆症

鈴木敦詞

O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関― Vol.5 No.1, 40-42, 2015

「症例1」
症例:80歳代前半,女性.
診断:バセドウ病.
主訴:体重減少.
既往歴:60歳高血圧症.
家族歴:母親 バセドウ病,次女に橋本病.
生活歴:飲酒歴なし.喫煙歴なし.
現病歴:3カ月前からの1kgの体重減少を機に近医受診.甲状腺腫は認めないが,手指振戦を自覚のため甲状腺精査目的で紹介来院.
身体所見:身長 152.5cm,体重 39.5kg,血圧 134/78mmHg,心拍数 100/分.眼球突出なし.甲状腺触知せず.手指振戦あり.心音 駆出性心雑音軽度.呼吸音 清.腹部異常所見なし.下腿浮腫なし.
「解説」甲状腺ホルモンは,骨芽細胞分化促進作用を有するとともに,甲状腺中毒症にみられるように,持続的高値により骨吸収優位の高代謝回転骨となり骨量が減少する1).甲状腺中毒症での骨量減少は顕著であるものの,抗甲状腺薬などによる治療により甲状腺ホルモン値が是正されると,骨形成優位に骨量が回復することが多い2)-5).その一方,甲状腺中毒症の既往歴そのものが閉経後女性の骨粗鬆症性骨折の危険因子となるとの研究もあり6),他の臨床的危険因子を有する者では,骨折予防治療を行っていくことを考慮すべきである.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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