(座長)国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授/山王メディカルセンター・女性医療センター長 太田博明先生
(座長)帝京大学臨床研究センター(TARC)センター長 寺本民生先生
「患者ニーズと時代背景を読み取る」糖尿病では網膜症,腎症,神経障害という三大合併症のほかに,心筋梗塞などの動脈硬化性疾患をはじめ,認知症,癌,OAB,骨粗鬆症などとの関連も注目されている.しかし,日本臨床内科医会の会員に糖尿病と骨粗鬆症についてアンケート調査を行ったところ,約2/3が「2型および1型糖尿病で骨折のリスクが高くなるという事実を知らない」と回答した.同様に2/3は骨粗鬆症診療を行っておらず,その理由として「診る余裕がない」,「これ以上薬剤を増やせない」あるいは「骨粗鬆症は老化現象なので治療の必要はない」という考えも根強く残っていることが明らかとなった.果たしてこのような診療スタンスで患者の気持ちに寄り添うことができるだろうか.