(座長)国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授/山王メディカルセンター・女性医療センター長 太田博明先生
(座長)帝京大学臨床研究センター(TARC)センター長 寺本民生先生
本稿では寺本民生先生から,「女性のミカタ」を合言葉に,日本全国の医療機関での3事例の取り組みが紹介された.

事例(1)「かかりつけ医に診てほしい」女性の診療ニーズを実感―おきた内科クリニック(広島県)の取り組み
広島県のおきた内科クリニックでは,院長の沖田英明先生が過去のなでしこフォーラムに参加した際に,「かかりつけ医でOABを診療してほしい」という女性患者の気持ちを知り,施設の入口に,骨粗鬆症,OABなどの女性において潜在しやすい疾患の相談を行っていることを前面に押し出した垂れ幕を掲げることにした(図1).その結果,悩みをもつ女性が数多く来院し,相乗的に骨粗鬆症の相談数も増加して,月間レセプト数が開業13年で最高数を記録した.また,広島県の女性は健康寿命が全国ワースト2位というデータから,「かかりつけ医として地域の健康を守りたい」という沖田先生の使命感もこの取り組みを支えている.