(座長)帝京大学臨床研究センター(TARC)センター長 寺本民生先生
「国民の健康づくりから医療・介護の負担軽減へ」わが国の健康を取り巻く現状をみると,死因の約60%が悪性新生物(がん)や生活習慣病であり,医療費の約30%を生活習慣病が占めていることがわかる.がんについては国民の2人に1人が罹患する時代といわれており,重点的に取り組むべき疾患であるといえる.また,リスク要因別の関連死亡者数をみると,喫煙を筆頭に高血圧,運動不足,高血糖,食塩の過剰摂取などが上位である.これらの因子は生活習慣に関連するものであり,これらを予防することができれば医療・介護にかかる負担を軽減することが可能と考えられる.