抗加齢ウィメンズヘルス研究会
講演1 尿失禁と骨盤臓器脱―下の悩み解消のための医療連携
第6回抗加齢ウィメンズヘルス研究会―Living with Aging―
掲載誌
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
Vol.4 No.1 52-54,
2014
著者名
加藤久美子
/
岡野 浩哉
記事体裁
抄録
疾患領域
泌尿器
診療科目
一般内科
/
産婦人科
/
泌尿器科
/
眼科
/
老年科
/
手術・救急
媒体
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
「過活動膀胱(OAB)診療のポイント」過活動膀胱(overactive bladder; OAB)患者では, 少しの我慢ができない(尿意切迫感). トイレにたどり着いたところで失禁してしまう, あるいは水の音や水に触れることにより膀胱の病的な収縮反射が起こり失禁する. 尿意切迫感が必須症状であり, 切迫性尿失禁を伴うものをOAB wet, 伴わないものをOAB dryと定義している. 2003年に発表された調査では, 40歳以上のOABの有病率は12.4%, 実数は約810万人と推定されている(図1). 有病率は男性のほうがやや高い傾向にあるが, 女性では骨盤底の緩みの問題もあることから比較的OAB wetが多い. また, 高齢者人口は女性が圧倒的に多いため, 外来患者数としては女性が多いと考えられる. ところが, 現在の受診率は低く, 男性36%, 女性8%というデータも発表されている. そこで, 今後受診率が上がってきた場合に泌尿器科医だけでは全ての患者に対応することが難しいと考えられるため, かかりつけ医によるOAB診療を念頭に, 2005年に『過活動膀胱診療ガイドライン』が発行された.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。