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New Arrival & Comment 新着論文解説

要訳と解説(2)スクレロスチンは血清ビタミンD代謝物やFGF23濃度,および尿中カルシウム排泄を変化させる

高士祐一福本誠二

O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関― Vol.4 No.1, 31-34, 2014

「概要」スクレロスチンをコードするSOSTの不活性型変異は, 骨の過成長と硬化を惹起する. スクレロスチンの欠損により骨へのカルシウム(Ca)やリン(P)沈着が増加する機序を解明するため, sostをβ-ガラクトシダーゼをコードするlacZで置換したマウス(sost-/-)の, Ca・P調節ホルモン, 血清および尿中Ca, Pを測定した. 野生型マウス(WT)と比較してsost-/-では, 骨芽細胞面の増加と破骨細胞面の減少, 骨形成の亢進, 皮質骨および海綿骨の骨量増加が認められた. β-ガラクトシダーゼ活性は, sost-/-の骨細胞で検出され, WTでは検出されなかった. 8週齢の雄性sost-/-では同週齢の野生型マウスに比較して, 血清1α, 25-水酸化ビタミンD[1α, 25(OH)2D]濃度の上昇, 24,25-水酸化ビタミンDや線維芽細胞増殖因子23(fibroblast growth factor 23; FGF23)濃度の低下, 血清リン濃度の上昇が認められた. 25-水酸化ビタミンD-1α-水酸化酵素(cyp27b1)発現は, WTに比してsost-/-の腎臓で増加していた. またリコンビナントスクレロスチンは, 近位尿細管培養細胞のcyp27b1 mRNA発現を低下させた. 尿中Ca排泄およびCa排泄率は, WTに比較しsost-/-で低値であった. 一方, 血中Caや副甲状腺ホルモン濃度は, WTとsost-/-で差異を認めなかった. これらの結果は, スクレロスチンが骨石灰化のみならず, ミネラル代謝にも影響することを示している.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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