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Column コラム

骨が語る「中国史」

平勢隆郎

O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関― Vol.3 No.3, 50-51, 2013

中国には甲骨文という文字がある. 骨に文字を刻んだもので, それは中国史上最も古い記録である. その記録が作られなくなってから600年ほどたった後, その時代は回顧されている. そうした回顧の記録は, 次第に変化をとげて, 紀元前1世紀, 司馬遷の『史記』ができあがる. よく知られる歴史叙述は, 『史記』がもとになる場合が多い. 本稿は, そうした後代の, そして次第に内容が変化した回顧ではなく, 直接的に文字から得られる情報をごく簡単にご紹介し, それにまつわる歴史の話題を提供してみたい. 『史記』は, 漢王朝(前203年~)の武帝に至るまでの歴史をまとめている. ところが, 多数の国の記録が残されている春秋戦国時代(前770年~前221年)の記事では, 年代のわかる約2,900カ所のうち, 830カ所を超える部分で年代矛盾が起きている. 西暦に換算した場合に複数の年代が得られてしまうのである.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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