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For bone health 骨の健康のために

ロコモーショントレーニング(ロコモ体操)―サルコペニアの予防

藤野圭司

O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関― Vol.3 No.3, 45-49, 2013

[緒言] 厚労省の2010年度国民生活基礎調査によれば, 65歳以上の有訴者率の1位は男女とも「腰痛」で, 女性の2位, 男性の3位は「手足の関節が痛む」ことであり, 男女とも運動器の愁訴が非常に多いことがわかる. しかし通院者率をみると, 男女とも腰痛は4位, 手足の関節が痛む, は上位5位に入らない. 運動器疾患は生命に直接影響を及ぼさないためか, 症状が相当悪くなるまで受診しないようである(図1). 65歳以上で運動器リハを目的として当院に通院している患者405名に新規介護申請をしてもらったところ, 要支援1が49.4%, 要支援2が27.7%, 要介護1が11.1%と, いわゆる軽度要介護者が約90%を占め, 非該当はわずか10.1%に過ぎなかった(図2). すなわち, 足腰が痛いといって整形外科外来を受診する時は, すでに大部分の高齢者は要支援・要介護状態にあることがわかる(図2)1). また, 要介護・要支援となる原因調査をみると, 要支援となる原因の約1/3は関節疾患, 骨折・転倒といった運動器が原因である(図3). 以上のことより, 運動器の衰えを早期に発見し, 適切な運動を行うことが要介護者の増加を防ぎ, 健康寿命を延伸させるため, 重要であることがわかる. 日本整形外科学会が2007年にロコモティブシンドローム(ロコモ)を提唱した目的は, 国民に少しでも早く足腰の衰えに気づいてもらい, 適切な運動を初めてもらうことである2).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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