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New Arrival & Comment 新着論文解説

要訳と解説(1)閉経後骨粗鬆症患者におけるデノスマブ(抗RANKL抗体)治療による血中スクレロスチンならびにDKK1濃度の変化

浦野友彦

O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関― Vol.3 No.3, 24-28, 2013

[概要] 骨吸収抑制剤は, 骨形成と骨吸収のカップリングが高代謝回転となっていることを抑制することで骨量増加をもたらす. Wntシグナルはビスホスホネートによる. このカップリングを制御する過程において関与することが知られているが, 抗receptor activator of NF-κB ligand (RANKL)抗体治療時のWntシグナルの関与は明らかにされていない. 本試験はプラセボ対照試験にて36カ月の観察期間を有した患者を対象とした. 19名がプラセボ, 24名が6カ月ごとに60mgのデノスマブ(抗RANKL抗体)を皮下注射した. プラセボ群においては今回測定した, 血清, sCTX, BAP, DKK1, スクレロスチン濃度は経過観察中に有意な変化はなかった. デノスマブ治療群においてはsCTXとBAPは経過観察中に抑制された. デノスマブ治療群においては, 血清スクレロスチン濃度は28%から32%の有意な(P<0.05)上昇が確認された. 血清DKK1値はコントロール群と比べ, 最初の6カ月で傾向を呈して減少し, 18カ月以降は有意な(P<0.05)減少が確認された. DKK1の変化はsCTXならびにBAPの変化と有意な正の相関を, 大腿骨骨密度と有意な負の相関を示した. スクレロスチンの変化はBAPの変化と有意な負の相関を示した. 閉経後骨粗鬆症患者におけるデノスマブ治療における骨代謝マーカーの変化は, スクレロスチン濃度の上昇と有意に関連することはビスホスホネート治療のデータと同様であった. また, デノスマブ治療における骨代謝マーカーの変化はDKK1濃度の低下と有意に関連しており, この事実はデノスマブ治療では5年以上にわたり骨密度が持続的に増加することを説明できる理由である可能性がある.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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