「概要」血管石灰化は糖尿病性血管障害において高頻度に認められる変化であるが, なぜ糖尿病患者において血管石灰化が促進されるのかについては, 石灰化促進因子の過剰な凝集や骨形成抑制因子の低下などが示唆されているものの, いまだその正体は明らかにされてはいない. Eghbali-Fatourechiらによってヒト末梢血中における骨芽様細胞の存在が明らかとなり, その細胞を用いてin vitroおよびin vivoにて石灰化が誘導されることが示された. しかし, オステオカルシン(OC)および骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)ともに陽性であるこの骨芽様細胞の由来は不明であった. 筆者らの実験の結果, ヒト末梢血より採取した末梢血単核細胞(PBMCs)のうち, フローサイトメトリー(FCM)にて単離したOC+/BAP+細胞をCD1ヌードマウスに皮下移植したところ, 各種対照群に比し著明な血管石灰化をきたした.
New Arrival & Comment 新着論文解説
要訳と解説(1)末梢血中骨芽様細胞の血管石灰化作用および2型糖尿病患者における血管石灰化マーカーとしての可能性
Fadini GP, Albiero M, Menegazzo L, et al : Widespread increase in myeloid calcifying cells contributes to ectopic vascular calcification in type 2 diabetes. Circ Res 108 : 1112-1121, 2011
掲載誌
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
Vol.2 No.3 24-27,
2012
著者名
秋好沢諭
/
飯島勝矢
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。