Column コラム
骨の形と硬さの秘密
掲載誌
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
Vol.2 No.1 74-75,
2012
著者名
星和人
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関―
体のなかには200個以上の骨があり, それぞれ, さまざまな大きさと形を有しています. 大腿骨は40cm以上もの長さがあるのに対し, 鼓膜に伝わった音の振動を内耳に伝える耳小骨は数mm程度です. 形状も細長いもの, 扁平なもの, 輪状のものなどさまざまです. このような骨は体軸を構成し体の形状を保つ, 物理的な力を伝達するレバーアームとなるなど, 生活に必要な動作を行ううえで非常に重要な役割を果たします. さらに, 脳や脊髄を収納して衝撃から保護したり, 紫外線に弱い造血組織を中に蓄えるなど, ほかにもさまざまな役割を果たします. これらは, 個々の骨の特徴的な形と, ほかの臓器には決してみられない硬さ(剛性)があるがゆえと思われます. したがって, 「形」と「硬さ」そのものが, まさに骨の機能と考えることができます. 骨の形は複雑ですが, 個体差はあまりなく, 成人では人種や身長, 体重にかかわりなく, ほぼ再現されています.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。