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座談会(Round Table Discussion)

骨と血管の連関

倉林正彦稲葉雅章鈴木敦詞中神啓徳

O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関― Vol.2 No.1, 6-19, 2012

「血管平滑筋細胞が骨芽細胞化することにより引き起こされる血管の石灰化」
倉林(司会):骨代謝異常である骨粗髪症と生活習慣病とのあいだには, 疾患関連性があることが知られており, 最近ではこれが骨と血管の連関として注目されています. そこで, 本日は各分野の専門の先生方から骨と血管の連関についてご討議いただき, 関連する疾病の予防や治療について考えていきたいと思います. 骨と血管の連関を考えるうえでキーワードとなるのは「血管の石灰化」です. ヒトは血管とともに老いるといわれますが, 胎児期から青年期, 壮年期, 老年期と年を追うに従って血管の石灰化が進みます. また, この石灰化は血管の内膜だけでなく中膜にも存在することが知られています(図1). さらに, 最近は, 生活習慣から始まり心筋梗塞を経て心不全, 死亡に至る「心血管系イベントの連続性」が提唱されています.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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