特別寄稿
HIV治療薬の進歩と薬剤耐性HIVの変遷
HIV感染症とAIDSの治療 Vol.13 No.1, 97-104, 2022
1987年のジドブジンの登場以来この35年間,HIV/AIDSの治療は著しく進歩してきた。より強い抗ウイルス活性,より長い血中半減期,そして薬剤耐性を獲得しにくい化合物を求めて34種類の化合物が開発・実用化され,その結果治療に失敗するリスクは大きく改善された。しかし,根治が達成できていないことから,感染者は生涯服薬を続ける必要があり,それは常に薬剤耐性HIVの選択による治療失敗の長期毒性による副作用のリスクと背中合わせであることを意味する。本稿では抗レトロウイルス療法と検査技術の歩みを振り返るとともに,薬剤耐性HIVの変遷そして今後の課題について概説する。
「KEY WORDS」薬剤耐性HIV,薬剤耐性遺伝子検査,ART,診断
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