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座談会

世界と日本におけるジェネリック薬・フォーミュラリー

桒原健小池博文谷口俊文松下修三

HIV感染症とAIDSの治療 Vol.11 No.1, 4-12, 2020

桒原 ジェネリック医薬品(GE)とは,新薬の再審査終了および特許期間の満了後,厚生労働省の承認を受けて製造発売される安価な医薬品であり,新薬と同一の有効成分を同一量含有し,同一経路から投与され,基本的に同一の用法・用量,同一の効能・効果を有しています。このため,新薬と有効成分・安全性が同等であり,代替可能な医薬品と位置づけられます。欧米では一般名(generic name)で処方されることから,ジェネリック医薬品と呼称されます。
先発品の開発では約10~15年の研究期間および数百億~1,000億円ほどの開発コストがかかるのに対し,GEの開発では研究期間は約3~5年,開発コストも数千万~1.5億円ほどで済むという利点があります。医薬品添加物は先発品と異なる場合がありますが,GEが特殊な添加物を使用しているわけではなく,先発品もGEも医薬品添加物事典に収載されている添加物を組み合わせて使用しています。異なる添加物,異なる製造機械で製造された先発品とGEを溶出試験等で比較し,生物学的同等性が認められれば承認となります。また先発品に口腔内崩壊錠(OD錠)を追加する場合もGEと同様に治験は行わず,生物学的同等性試験を実施したうえで認可されます。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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